FC2ブログ

夏の日の思い出 vol.3:島の盆踊り

平成26年10月5日
もう季節外れとなってしまいましたが、去る8月15日には
島での恒例行事である供養盆踊りが行われました。
地区の総代(地区長) を拝命しているタバコ屋はその準
備から実施まで総責任者として携わることになりました。
今回は先日の祇園祭の記事同様、島の盆踊りの舞台裏
のご紹介という形でお話してみたいと思います。
盆踊り大会7
そもそも「盆踊り」とは何ぞやということなんですが、その
ルーツは遠く平安時代、空也上人によって始められた念
仏踊りだと言われ、死者を供養する仏教行事として徐々
に広まり、鎌倉時代には放浪の聖(ひじり)、伊予の国
(松山)出身の一遍上人によって全国に広まったとされて
います。一遍上人のスタイルは同行の尼僧たちと衣服も
はだけた激しい踊りで一種の神がかり状態(法悦)を演
出し今で言えばジュリアナ東京のディスコダンスと同様に
て宗教行事というよりは娯楽性の強い踊りとして一大ブ
ームを引き起こしたとか。
一遍上人3
尤も聖(ひじり)というのは正式な僧侶ではなく一種の宗
教ルンペンみたようなところもあり、それなりの形であっ
たとも言えます。(これはタバコ屋の独断にて間違いの
場合はお許し願います)
その後は室町、江戸時代を経て明治の世に至るまで死
者の供養という建前とは別に夏の夜の娯楽と言います
か、踏み込んで言えば男女の一夜の刹那的な出会いの
場ともなっていきました。
近年は死者の供養+夏のイベントとして定着しています
が、意外なことに、長い歴史の中で盆踊りにはそのよう
な一面もありました。
阿波踊り3
盆踊りのイメージとしては広場の中心にやぐらを組み紅
白幕で飾り付け、「くどき」と「太鼓」による音頭に合わせ
て浴衣姿や仮装をした踊り手が輪になって踊るというも
のでしょうか。尚、近年では独自のくどきや太鼓の節回し
を持つ地方色が弱まり、東京音頭とか河内音頭に合わ
せて踊るパターンも増えているようです。
皆さん意外に思われるかも知れませんが、かの有名な
徳島の阿波踊りも盆踊りの一種で日本の三大盆踊りの
一つであること、ご存知でしたか。恥ずかしながらタバコ
屋は知りませんでした。

それではさっそく島の盆踊りの裏舞台をご紹介すること
に致します。まず会場は残念ながら廃校となってしまった
タバコ屋の母校である中島東小学校のグラウンドを使用
しますが、タバコ屋が在学中は500人近くいた生徒も過疎
化により激減し近年ついに廃校となり別の場所に新設さ
れた小学校(中島小学校)に統合されてしまいました。
DSCN1069.jpg
さて盆踊りの核となる櫓(やぐら)の設置についてです。
ベースを何で作るかですが、タバコ屋の島はみかんの
産地なのでJAさんには運搬用のパレットが大量にあり
それをお借りし、積み重ねて櫓にすることにしました。
これだとフォークリフトで短時間の作業で済み非常に簡
単です。木製のパレットというパーツを組み上げるので
無理やりこじつければモノコック構造と言えなくもないよ
うな?骨格です。
IMG_2748.jpg
ちなみに昨年までは建築現場で足場に使うスチールパ
イプを組み上げる方法でした。長所は軽くて強度がある
ことで、構造的には祇園祭の山鉾同様スペースフレーム
構造と言うことが出来ます。しかし熟練工がいない場合
は組み立てにすごく手間と時間が掛かってしまいます。
結局今年はこの方法を取りやめました。
(関連記事:夏の日の思い出 vol.2:祇園祭の頃参照願います)
DSCN1061.jpg
概ね櫓の骨組みが出来上がり、万国旗を四方に張って
それらしい形になってきました。どんよりとした天気で準
備には涼しくて良いのですが、タバコ屋には後でお話す
るある心配事がありました。
DSCN1074.jpg
四隅には笹の葉付き長尺の竹を配し、手すりを付けたり
紅白幕を張ったりして飾り付けます。また上屋にはコンパ
ネと呼ばれる建築用の木製ボードを貼って平らに仕上げ
ます。
DSCN1079.jpg
大分仕上がってきました。皆さんお気づきでしょうが櫓の
上にテントが張られているのが見えると思います。実は
これにはある事情がありました。折から低気圧が接近し
8月15日の盆踊り大会の当日は雨予想で、その開催自
体が危ぶまれていたのです。事実前日の8月14日に準
備予定でしたが予報どうりの土砂降りで果たして開催す
べきか延期すべきか総代職のタバコ屋はその決定をす
べき立場にあり迷いました。しかし昨今は便利な道具が
出来たもので、タブレット上でお天気のシミュレーション!
が出来るのです。かなりな博打でしたがイチかバチかで
決行することにし、準備は当日の朝することにしました。
写真の空模様がどんよりしているのはそのためです。
雨の場合は地区の皆様や関係者に迷惑を掛けるので
それこそ「清水さん」の舞台から飛び降りる心境でした。
恥ずかしながら麦わら帽子を被っているおっさんがタバ
コ屋ですが急遽、上屋にテントを張る指示を出したので
心配そうに見守っているという図式です。
DSCN1072.jpg
盆踊りの目的の一つは新たに亡くなった方(新仏)の供
養にある訳ですので、供養祭壇を設置しなくてはいけま
せん。櫓の一面に鯨幕(黒白幕)を張り、祭壇を組み立て
ます。手前味噌になってしまうのですが、昨年までは長
テーブルを使って仮の祭壇を作っていたので重くてバラ
ンスも悪く不便でした。今年は葬儀社でもあるタバコ屋が
組み立て式のワンタッチ祭壇を持ち込んだので簡単で
早い施工が出来ました。
IMG_2769.jpg
この写真は昨年のものですが供養祭壇を櫓から離れた
場所に独立して設置していました。これでは踊りが始まっ
てから一体感に欠けるので今年は櫓にくっつけて中央
部に設置することにした訳です。
DSCN1082.jpg
午前中で概ね会場の準備が整い、あとは夕刻からの本
番待ちですが、実はその前にやるべき行事がありました。
まずはタバコ屋の地区が管理する共同墓地で無縁仏さ
んの供養をします。ご寺院は3つあり、毎年交代で当番を
お勤め頂いています。
DSCN1085.jpg
次に三界万霊を祀った祠で同様の供養、回向を行います。
三界万霊とは仏教特に真言宗の概念で、欲界(よくかい)、
色界(しきかい)、無色界(むしきかい)という三つの世界
即ちこの世のすべてを「三界(さんがい)」と言い、そこに
生きるあらゆる精霊を「万霊(ばんれい)」と言うそうです
が、生きとし生けるものすべて及び祖霊を包括的に表現
した言葉なのです。
実母がクリスチャンであり、また同志社で学んだタバコ屋
としてはそのような頭で考えた概念(フィクション)など到
底信じる気にはなれませんが、長い間地区の伝統として
残っているものなのでここは祖霊への回向という意味で
素直に「郷に入れば郷に従う」ことにしました。
DSCN1087.jpg
次はその祠の隣にある「延命地蔵」さんに回向をします。
延命地蔵とは六地蔵の一つが特化したもので、これも仏
教の古い概念にて三界同様この世のすべてを六つの道
(天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)に分
類しそれぞれのカテゴリーで苦しむ衆生を救済するため
地蔵菩薩(六道あるので六地蔵)なる架空の救世主を作
りました。多分平安時代頃の浄土思想あたりから生まれ
てきたものなのでしょうが、長い歴史の中でのちには村
のお地蔵さんとして親しまれ、また京都では「地蔵盆」と
いうユニークな習慣が残っていますよね。いにしえの昔
は早死が当たり前だったので延命は民衆願望の重要な
テーマだった訳で、その六地蔵さんの一つに延命地蔵と
いう特殊能力を託して信仰されてきました。しかしどなた
が考えたのか知りませんが人間というのは未知なるもの
に対し大変創造力豊かな虚構(フィクション)を考えるも
のですね。
(関連記事:今出川でのこと vol.2参照願います)
IMG_2784.jpg
え~まだあるのと思われるでしょうが、最後に「安らぎ観
音」さんに回向をします。ちなみにこの観音さんは移転し
た地区の旧共同墓地に建っており移転時に供養の意味
で建てられたものです。これだけ拝み倒されると祖霊も
恐縮して落ち着かないんではないでしょうか。
それやこれやで1時間程度で4ヶ所を回るわけですから
まるで支度競争のようなことになってしまいました。
DSCN1093.jpg
さて大急ぎで盆踊り大会の会場に戻り本命の新仏様の
供養式です。3ケ寺をお迎えし、お勤めを頂きます。今年
は13名の方が亡くなられました。中にはタバコ屋の一期
後輩で仲の良かったK君も含まれていて現役時代は東
亜国内航空に勤務されていましたが、難しい病気で急
逝しました。最近はお会いすることもなかったですが残
念です。タバコ屋持ち込みの仮祭壇も短時間でしつらえ
たにしてはなかなか決まっていると思いませんか。
尚、蛇足ながら「安らぎ観音」の写真は昨年のもので供
花を無造作にステンレスの花立てに差しているのがおわ
かりでしょうがタバコ屋はそれでは気が収まらず、今年は
花台にちゃんとプロが生けたものにしました。予算の関
係でこの程度ですがタバコ屋は結構気に入っています。
DSCN1105.jpg
新仏様の供養式も無事終わりあとは盆踊り大会を待つ
のみとなりました。しばしの静寂と言いたいところですが、
タバコ屋はタブレットの雨雲レーダー画像と睨みっこで
気が気ではありません。
DSCN1103.jpg
夕闇も迫りいよいよ盆踊り大会も間近にせまりました。
こうなったらもう焼けくそでどっからでもかかってこいの
心境となりました。
ルビコン河」は渡ってしまったのですからもう引き返せ
ないのです。
DSCN1107.jpg
盆踊り大会にはつきものの夜店の準備も整いつつあり
ます。このブースはタバコ屋の店の若い衆(即ち倅ども
ですが)がスタンバイしています。鈴鹿サーキットでのF1
日本GPへの出店から比べると随分気分的に楽と言いま
すか、お遊びみたようなもんです。タバコ屋が島に帰って
以来もう30年以上も盆踊りのにぎやかしとして出店協力
をしてきました。儲けなんかないボランティアだと思って
下さい。
(関連記事:鈴鹿の風 vol.2:裏側からのF1GP参照願います)
DSCN1109.jpg
タバコ屋のブースとは別に地区の若い有志によるおもに
焼き鳥とか食べ物主体の夜店も出店し準備万端です。
DSCN1140.jpg
午後8時、いよいよ盆踊り大会開始です。今年はタバコ
屋の企画で仮装コンテスト大会も実施しているので、参
加者の皆さんも気合が入っているようです。
DSCN1149.jpg
過疎の島に大勢の若いお嬢さん達を望むのはヤボとい
うものでほとんどは昔のお嬢さんたち?が精一杯工夫を
凝らし若作りをして踊ります。伝統的なくどき文句に合わ
せて踊りますが結構疲れるもので、昔のお嬢さん連にと
っては体力がやや心配なところです。
DSCN1155.jpg
盆踊りも佳境となりつつあり、夜店の方も大賑わいです。
写真はタバコ屋のブースで定番の金魚すくいです。この
メニューだけは何十年やっても子供大人に関わらず黒山
の人だかりとなります。
DSCN1152.jpg
焼き鳥屋さんのほうも結構繁盛しているようで焼くのが
間に合わない様子でした。踊りが終わった後、お世話人
さんで一杯やるので今のうちにつまみを買っておかなく
てはなりません。
IMG_0198.jpg
気が気ではなかった雨も、踊りが終了するまで何とか持
ってくれました。踊り終了後はお楽しみ抽選会がありその
当選番号の発表風景です。これがあるので見物の方々
も最後まで帰ることが出来ないしくみになっています。
ちなみに1等賞は風を送るための某電気製品で、以下お
米とかビールとかの実用品でした。他愛ないものながら
皆さんタダで貰えるとあって大喜びでした。

かくして短くもありタバコ屋にとっては長く長く感じられた
島の盆踊り大会は無事終了致しました。ちなみにお楽し
み抽選会が終わりお世話人さんたちが例の焼き鳥片手
に打ち上げの一杯をやり始めた頃、心配していた雨が
降り出しました。もういくら降ってくれても結構、但しアン
プとか提灯とか雨厳禁のものは手早くしまいこんだのは
言うまでもありません。
八代亜紀1
夏の一大イベントが無事終わった安堵感に浸りつつ、缶
ビールのスーパードライを傾けながらタバコ屋の口から
こぼれた歌は不謹慎ながら八代亜紀さんの「雨の慕情
でした。「雨、雨、降れ降れ、もっと降れ~~」でよかった
のですが、あまり降ると翌日の片付け時に幕やら何やら
ビショビショになってしまうので「適度に・・・」と呟きたい
心境でした。


コメント

盆踊り、お疲れさまでした!

お元気そうな写真を拝見しましたが、お変わりありませんか?
当方、大きな変化もなく至極穏やかな日々を過ごしています。
気になりながらも、日々中島の情報に疎くなっている事に気付き、訪問させていただきました。これからは、寒さも厳しさを増すばかりですね、繁忙期を体調を整えて乗り切ってください。また訪問させていただきます。

Re: 盆踊り、お疲れさまでした!

拝復、島の盆踊りの記事、ご覧頂いて有難うございます。全力投球と言えば聞こえはいいのですが、価値観も年齢も様々な地区の皆様のコンセンサスを得つつ地区運営をやるのも大変です。松山市長さんであればスタッフもラインも整っていて、ある意味皆の者励まれよ!で済むのですが、地区長の場合はおもかじ一杯と号令して自分で舵を切るというみじめさがつきまといます。あと半年間の任期が残っていますが、地区に新風を吹き込めるよう精進したいと思います。蛇足ながら先日やっとWINDOWS7にバージョンアップ致しました。それなりに洗練されたソフトだと思いますが、それとて紅毛人の考えたこと、何故日本人に出来なかったのかが悔しくてたまりません。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

★★島のタバコ屋の独り言★★
【4月10日:ああ創業100年】    島のタバコ屋は先々代が呉服屋を創業以来3代目となり、その間戦後間もない頃には島のバス運営事業を試みる等様々な営みを経て今日に至っています。皆さんよくご存知のNIKONも創業100年なんですが、比較にはならないものの同じ時代を生きてきた訳です。かつてオハイオのメアリーズビルで活躍する夢を抱いたこともあった青年も年を取りました。さて今後の100年をどのように生きて地域のお役に立っていくか、タバコ屋にとっては後継者である倅への「死に土産」としてそのコンセプトを確立しておく必要があると考えています。しかし倅にとっては年寄りの余計なおせっかいに写るかも知れませんよね。
◆◆島のタバコ屋メニュー◆◆
メニューの見方について
各カテゴリー別に最新記事10件が表示されます。10件以上の場合は最下行のホーム右の矢印で次のページをご覧頂けます。
記事の見方について
島のタバコ屋手帳のタイトルをクリックすると最新記事10件が表示されます。また個々の記事のタイトルをクリックするとその記事と投稿コメントが表示されます。
最新記事(30件)
月別アーカイブ
最新トラックバック
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる