FC2ブログ

4千坪のガーデニング vol.1:3種の神器

平成25年5月11日
千葉・東京巡礼の興奮冷めやらぬ日々ですが、そうも言
っておれません。タバコ屋が新たな挑戦目標として取り
組もうとしているみかん農業に復帰しなくてはなりません。
おまけにこの4月からは、よもやまさかで地元の総代(地
区長)という公務を拝命することとなり、もう内心はかなり
焦りモードです。
IMG_1955.jpg
ところで、農業と申しましても、お米や麦などの穀類やお
野菜のように暮らしに直結する作物の分野があり、一方
果物や花といった生活必需品ではないものの、暮らしに
なくてはならない品も農業の一分野です。果物や花の分
野はストレートに農業とは言わず、園芸と言ったりもします
からやや趣味性があるということでしょうか。タバコ屋が
関わっているのは柑橘果樹ですので、柑橘農業あるいは
果樹園芸と呼ばれたりしています。
写真はタバコ屋のみかん畑に咲いたいよかんの花です。
この時期の柑橘の花の香りはとてもエレガントで、ティファ
ニーでもシャネルでもディオールでもどこからでも掛かっ
て来いと言いたくなります。
ガーデニング1
よくご自宅の裏庭を改造して自給用の野菜を作られたり
あるいは庭を手入れしてガーデニングを楽しんでおられ
るご家庭を見かけますが、やはりこういうものは趣味の
レベルに留めておくのがケガがなくて無難です。タバコ屋
のように自分から進んでではなかったものの、やむなく
1町歩以上の面積のみかん畑を管理するはめになった
者から見ると、農業の初心者にとってそれは大学時代の
香里体育ハウスにおける夏合宿のごとく地獄の日々であ
り、その広い畑を持て余し、途方にくれた数年間でした。
以前にもそのことをかなりブログに書いてはいるのですが、
改めて、「4,000坪のガーデニング」と題し、その泣き笑い
の一部始終をお伝えしてみたいと思います。
(関連記事:農業とレストア vol.1~vol.7参照願います)

さて、何をやるにも道具というものが必要なことは普通の
大人なら常識というものでしょうが、タバコ屋にとってみか
ん農業はみかんの販売のプロではあっても生産はシロウ
トであった訳で、折に触れそれらの道具を見慣れてはい
ましたがどの程度のものが必要なのか、またそれの使い
方等、ほとんど知識がありませんでした。

実際やってみて、徐々に道具のことがわかってくるように
なりました。みかん農業のプロにとっては当たり前のことで
笑ってしまいそうなことばかりですが、農業版「3種の神器
(じんぎ)
」と名付けてご紹介することに致します。
農機具2
第一の神器、それは草刈機です。そもそも当初は有機
農業というか、自然農業を目指していましたので、単純
な話、草を刈っていさえすればみかんの樹は何とか育つ
くらいしか考えていませんでした。実際はとんでもないこ
とでした。雑草はほっておいてもぐんぐん育ちますが、
みかんの樹はデリケートで、こまめに手入れしてやらない
と雑草に負けて枯れてしまうのです。その雑草というのも、
まわりの畑はよく手入れしているので、ひよこ草とか可愛
らしいものしか生えてきませんが、タバコ屋の畑は数年間
除草剤を一切使ってなかったので、イタドリ、セイタカアワ
ダチソウ、ヤマタバコ、クズ、カズラ類、ムギグサといった
それこそエイリアン級の強力雑草群が雑草の楽園と言わ
れるくらいのさばっていました。
タバコ屋がやったことはその恐るべきエイリアンに対し、
幕末の烈女、新島八重が迫り来る圧倒的勢力の官軍に
スペンサー銃で立ち向かったようなものでした。
(関連記事:八重のこと vol.1参照願います)
ヤシキ1
おかげで昨年一年間は草刈正雄さん(タバコ屋は草刈の
ことをそう名付けています)に明け暮れました。タバコ屋も
同志社大学体育会出身なのであの地獄の夏合宿に比べ
たら、何じゃいこんなもん、と自分に言い聞かせたものの、
炎天下での草刈は正直無謀でした。ちなみにまわりの
プロ農家は早朝に畑に行き早く帰り、また午後遅く出かけ
ていくというパターンで無駄な体力消耗を防ぎ、合理的に
仕事をしていました。
怪我の功名とでも言いますか(実際草刈機で怪我もした
のですが)草刈についてはそのバカな炎天下でのうだる
様な暑さの経験により、短時間で他のプロ同様の知識と
ノウハウを身に付けることが出来たように思います。
農機具2-1
例えば草刈機の刃先部分(チップソーと言います)ですが、
これも色々なメーカーの品があり、各種試行錯誤で試して
みました。写真はバイクのディスクブレーキのように軽量
化の穴を開けたタイプです。それなりに軽くて使いやすい
のですが、問題がありました。それは雑草がディスクのま
わりにすぐからみついて回らなくなり、いちいち取り除く必
要があることです。
IMG_1957.jpg
このタイプは外刃の内側に4つの内刃がついています。
からみ防止用の別刃をつけてみたり、ヘリコプターみたい
にナイロンコードをぶん回すタイプを試みたりしましたが
どれも思うような性能を発揮出来ませんでした。いろいろ
試行錯誤の結果、これは大変な優れものでした。カズラ
等を内刃でカットしてくれるのでからみつくことがありませ
ん。これを考案した人は頭のいい人だなと感心しました。
かくしてタバコ屋にとってはお気に入りのツール第一号と
なりました。蛇足ながら草刈機はガソリンでなく混合油と
いう安い燃料で作動しますので経済的です。
農機具1
続いて第二の神器、それは動力噴霧器(以下動噴)です。
もともとタバコ屋の本家筋であり、広大な畑を維持管理し
ていた私の従弟が早逝する前は、プロとしてそういうキカ
イは使っていたはずなのですが、タバコ屋が引き継いだ
時にはすべて処分されていて、何もありませんでした。

当初タバコ屋は無知にて、水や液肥や農薬を散布すると
いうような考えはなかったので、それ程気にも留めません
でしたが、徐々に実体がわかってくると、それらのことは
必須作業にて動噴はとても大切なツールでした。それを
全部処分していたとは・・・。それではあんまりやないか!
とも思いましたが、気を取り直し自分で調達することにし
ました。

写真は知り合いが使っていた時代物のディーゼル動噴で
す。ただでもらったので贅沢は言えませんでしたが、始動
時は操作が重くて非常に使い勝手の悪いものでした。ま
た本体の重量も相当な重さで、固定するならともかく移動
して使うには不向きでした。燃料は当然ながら軽油です。
ミニ動噴4
みかんの収入がろくにないので新しいキカイなど買える状
況ではありませんでしたが、使い勝手が悪くモチベーショ
ンが下がりっぱなしだったので、思い切って最新のコンパ
クトな動噴セットを購入することにしました。これは動噴と
ホースが一体となった優れもので持ち運びが楽な上、少
量散布から大量散布までマルチにこなします。まるで
イスズの2トン車からミニクーパーに乗り換えたような爽快
感がありました。
ちなみにキカイの構成は右側がエンジンと燃料タンク、
真ん中の赤いダイヤルが付いている部分が超小型ポンプ
で、ピストンシリンダーによって液をホースに圧送するよう
になっています。
左は50メートルのホースで通常のものよりやや細くドラム
リールも均等に巻き取れる移動式ガイドが付いておりとて
も便利です。
IMG_1290.jpg
キカイ自体はコーシンというメーカーのものでしたが、そ
の動力はSUBARUの超小型エンジンを使っていました。
下の方には控えめにSUBARUのロゴが見えます。燃料は
ガソリンです。始動はセルモーターはなく、手前の握りの
ついたヒモを引っ張るタイプです。とても軽く一発始動で
快適です。
右の黒い2本のホースはポンプと薬槽をつなぐもので、
吸い込みと吐き出し用です。薬液の散布中は吸入のみで
すが、散布を中断した時は、吐き出しホースから薬槽タン
クに還流するシカケです。
IMG_1282.jpg
その薬槽タンクですが、従来はもらいもののポンコツだっ
たので、タンクを荷台に固定する時のヒモ掛け用溝が付
いておらず危険だったため思い切って400リットル用の新
品を購入しました。
写真は動噴と薬槽タンクをセットにして作動させていると
ころです。動噴及びホースのスペースは、まわりの農家
さんが使っているものに比べて約1/2でスッキリとしてい
ます。薬槽タンクも固定用マイカー線で締め付けたので
ずれることがなく安全です。
ちなみに移動はスズキ軽四キャリーの4駆で、青森のリン
ゴ畑のように平地やゆるい傾斜地と違い、急勾配の斜
面が多い島のみかん畑での作業には四輪駆動(四駆)
が大前提です。昨今のSUVのブームで4WDがもてはやさ
れていますが、こちらは四駆でないとそもそも畑に辿り着
くことが出来ず、生活直結型の必需品です。

蛇足ながらタバコ屋はスズキキャリーを使用していますが、
まわりの農家さんはほとんどがSUBARUサンバー4WDで、
しかもJAが別注している特別丈夫なタイプです。愛称は
JA営農サンバーと言います。そのサンバーもSUBARUが
軽四から撤退してしまったので今後どうなるんでしょうか。
IMG_1404.jpg
ホースの先端部には当然のことながらノズルが付いてい
るのですが、噴口(ふんこう)と言うそうで、写真は水や農
薬のうすめ液を散布する場合のノズルです。2連装になっ
ていてかなりの範囲に散布出来ます。
IMG_1283.jpg
その散布状況です。散布しているのは農業用マシン油で、
害虫をオイルでコーティングすることにより窒息死させま
す。毒性がほとんどなく安全です。それにしてもマシンオ
イルを農業用に利用することを思いついた人って賢いで
すよね。当然水で薄めて使うのですがやや粘性がありま
す。ノズルの軸部は伸縮するので樹に登らなくてもほとん
どの部分をカバー出来ます。
IMG_1403.jpg
これは除草剤の散布専用ノズルです。同じく2連装ですが、
液が泡状になるように(吸着効果と薬液が少量で済む)
工夫がされていますが散布範囲は狭いです。
IMG_1422.jpg
ややお遊びになってしまいますが、取っ手の赤いノズル
は高圧専用のもので、動噴が今はやりの高圧洗浄機に
早変りとなり、洗い物には非常に便利で、安価なので
ついでに購入しました。
高圧とは言っても圧を下げてやれば苗木の水遣り等に
は便利でこれも多用途に使用出来ます。赤い取っ手が
ダイヤル式で噴き出しの形状を自由に調整出来ます。
ノズルとハサミは使いようというところでしょうか。
IMG_1411.jpg
第三の神器はクローラーです。キャタピラー付きの近距
離運搬車で、通常は4WDの軽四一台あれば不要なので
すが、これを購入するには特殊な事情がありました。
モノラック4
一般的に急傾斜地の畑で運搬に利用されているのは写
真のモノラックと言われるもので、畑に長いレールを敷設
しその上を動力車でラックを牽引するものでエンジン付き
トロッコみたいなものです。タバコ屋の畑にもこれがありま
したが、相当な時代物で老朽化し、最初は使用していた
ものの、途中で壊れてしまいました。直そうにも部品が生
産されておらず新品にするにはレールごと取り替える必
要があるとかで100万以上かかり、おまけにモノラック自
体が不便なものでタバコ屋は嫌いだったのでいっそやめ
てしまうことにしました。そうなると軽四では行けない道の
ない急傾斜地の畑に肥料を運んだり、収穫したりするに
はモノラックの代わりになる運搬具が必要になりました。
すべて人力でやるという手もありましたが、それも続かな
いことなのであきらめ、数十万の大枚をはたいてクロー
ラーを導入することにしました。
IMG_1415.jpg
その操作部です。運搬具とはいえややオクルマに近づい
た複雑なしかけがあり、ハンドルから赤いカバー部分に
かけてエンジンの入り切りスイッチやスロットルレバー、
方向転換握りレバー等があります。また中央下部はミッ
ションの切り替えレバーで、前進、後進や、変速レバー等
があり、細かい調整が出来るようになっています。
IMG_1413.jpg
そのエンジン部分です。こちらは動噴と違ってミツビシの
エンジンが使用されていました。始動はセルモーターは
付いておらず、ヒモで引っ張るタイプです。これも非常に
軽く一発始動です。燃料は動噴同様ガソリンです。
IMG_1408.jpg
その荷台部分ですが、モノラックと同程度の積載能力が
あり、今後、肥料運搬やみかんの採り入れに威力を発揮
しそうです。尚、前述のコンパクト動噴を積んで薬槽タンク
のかわりにポリバケツでも流用すれば農薬散布車にも変
身出来るので多用途に利用可能です。キャタピラーの良
いところは、よっぽどの急傾斜でない限り、スタックせずに
入っていけることでモノラックを廃止した以上、このクロー
ラー君には縦横無尽に活躍してもらいたいところです。

ともあれエイリアンに対し無謀にも素手で立ち向かおうと
した「志や、よし」ではありましたが、志は折れかけてしまい、
途方に暮れるところでした。しかし今回ご紹介した3種の
神器を手に入れることによりヤマトタケルは再びヤマタノ
オロチに立ち向かう勇気を取り戻すことが出来そうです。

余談ながら、農業は体一つでお金の掛からないものであ
ると思っていましたが、それは大間違いで結構お金の掛か
るものであることがやってみてよくわかりました。
恥ずかしながら現状では費用10に対し収入は1くらいなの
で破産状態であり、早く技術を身に付け、苗も大きくして
費用10に対し収入15くらいにはなるよう努力したいと思い
ます。

タバコ屋は当初、有機農業、自然農業を目指しかけました
が、かなり無理があることを痛感し、減農薬農業を目指す
ことにした訳ですが、次回はそのあたりをもう少しお話した
いと思います。


コメント

No title

こんばんわ。
いよかんの花と葉の緑のコントラストが綺麗ですね。 野菜や果物の花はあまり観賞されませんが、皆それぞれに綺麗なんですが、野菜等に花が咲くイメージがあまり無いのは不思議な気もします。
4000坪もの手入れは想像を絶する規模・手間で気が遠くなるような作業でしょう。 私はせいぜい20~30坪の畑に生えた雑草を刈るくらいですが、何とか耐えてますがまだ慣れていないのできついです。 農機のエンジンはすごいといつも感心しています。 たった20~30CC位のエンジンをぶん回してパワー出しているんですが、一体何回転まで回っているのか気になるところであり、それでいて耐久性もあるので感心してしまいます。
草刈り機のディスクにもこんなに種類があるとは知りませんでした。
稲作に限らず、日本の農業は平坦地での大規模農業が出来ない土地柄もあり機械漬けで経営しないと駄目になっているので利益を出すのは難しい構造になっていますが、製品が高く売れないことに問題があるのか安く作れないことに問題があるのか難問を突きつけられた状態で解を見つけられない(見つけようとしない政策を続けた?)まま来ているように思えてしょうがありません。
農家は利益出ないのに農協(JA)は結構な利益を出している(出していた?)本末転倒な組織のように感じています。

Re: 困難な農業

拝復、ここ数日間、亡き母の分骨を兼ねて西本願寺のお掃除奉仕団に参加していたため不在でした。ご返事が遅くなり申し訳ありません。
さて農業ですが、タバコ屋も今までいろいろやってきて、最も困難を感じたのは農業です。効率追求とかいうことが難しいです。お金儲けには道遠いものがありますが、自然に親しむことと、自分で作物を育てるということへの達成感は味わえるような気もします。同期も次々社会をリタイアし百姓やってるのも数人います。
正義感の強い上山青年のJA一人儲け理論はタバコ屋も同感です。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

★★島のタバコ屋の独り言★★
【7月31日:ああ創業100年】 島のタバコ屋、即ち富永呉服店が創業100年を迎えたことは先般お伝えした通りですが、皆さんよくご存知の世界的宇宙物理学者、故ホーキング博士によれば、100年なんて宇宙的時間軸で言えば、一瞬のまばたきに過ぎない訳で「島でのことも夢のまた夢」ということになりましょう。それはともかく4才の頃から道端の草にも「コンニチハ」なんて愛想を振り撒いて来たタバコ屋にしてみれば「店は客のためにある!」以上、未来永劫、店の続く限りそのテーゼを実践し続けるしかないのです。京都で300年続く老舗料亭、老舗呉服問屋もその志があったのかどうか、お聞きしたことはありませんが、当らずとも遠からじではないでしょうか。
◆◆島のタバコ屋メニュー◆◆
メニューの見方について
各カテゴリー別に最新記事10件が表示されます。10件以上の場合は最下行のホーム右の矢印で次のページをご覧頂けます。
記事の見方について
島のタバコ屋手帳のタイトルをクリックすると最新記事10件が表示されます。また個々の記事のタイトルをクリックするとその記事と投稿コメントが表示されます。
最新記事(30件)
月別アーカイブ
最新トラックバック
RSSリンクの表示
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる